Q & A

よくあるご質問

関節リウマチの症状とは?

 関節リウマチの初期症状には、関節のこわばり(曲げ伸ばししにくい)があり、朝起きてから30分以上続き、日中や夜は落ち着くことが多いです。このため、朝の身支度や朝食の準備などで初期症状に気づくことがあります。
 また、関節リウマチの痛みや腫れの症状は手指の第2関節、第3関節、手首(手関節)に出るのが典型的で、左右対称になりやすいことが知られています。
 また、関節の腫れは赤みを帯びたり、熱感をもったりします。つまんだり、握ったり、手首を回したりする際に痛みを伴い力が出にくい症状があります。

どのような治療をしますか?

 以前のリウマチ治療は、薬で炎症や痛みを抑えるか、悪くなった関節部位を手術で取り除くくらいしか手立てがありませんでした。しかし、リウマチ治療の中心薬として使用される薬のほか、『生物学的製剤』という分類の治療薬が登場し、炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者さんの生活の質を高める治療ができるようになってきました。
 現在では、こうした薬を使った治療(薬物療法)を中心に、リハビリテーション手術などを、必要に応じて組み合わせて治療を行うのが一般的です。

 最新のリウマチの治療では、リウマチの活動性をみながら、寛解(かんかい)を目標に治療をします。どうしても寛解に入らない場合でも、ある程度、炎症がコントロールできる状態(低疾患活動性)を目標にして治療をします。

薬物療法とは

 消炎鎮痛剤やステロイドです。
 消炎鎮痛剤は、痛みに関連する『プロスタグランジン』という生体内物質ができるのを防ぐことで、リウマチの痛みや炎症を軽くします。ただし、病気の進行を止めることはできません。
 ステロイドは、活動性の高いリウマチに対して、抗リウマチ薬の補助として用います。速効性のため、日常労作を改善することができます。ただし、ステロイドを長く使っていると、糖尿病や骨粗鬆症、白内障、感染症などを合併しやすくなるので、無駄な長期使用は控えるようにします。

 リウマチ治療の主体となる薬です。リウマチの免疫異常を調節し、抑制することで効果を発揮します。どの抗リウマチ薬も効果の程度に個人差がありますが、抗リウマチ薬の中には、有効率が高く、関節破壊の進行を遅らせることができます。

代表的な抗リウマチ薬
メトトレキサート
サラゾスルファピリジン
ブシラミン
タクロリムス

 生物学的製剤は、炎症性サイトカインのTNFα、IL-1、IL-6やT細胞などを標的として炎症を抑え、軟骨や骨の破壊の進行を大きく抑えることのできる薬です。抗リウマチ薬の効果が不十分な場合に用い、点滴注射や皮下注射で投与します。
 わが国では、平成15年に抗TNF製剤が登場してから、現在までに7種類の生物学的製剤が使用可能になりました。患者さんが自分で注射できるキットも登場し、より便利な使い方ができるようになっています。また、最近では特許期間が満了した生物学的製剤の後続品で薬価が安いバイオシミラーも発売されています。

治療薬の分類

非ステロイド性抗炎症薬

役割
痛みや炎症の軽減(抗リウマチ薬の補助)

主な副作用
胃腸障害、腎障害、肝障害など
※成分や製剤の改良により、副作用を減らす工夫がなされている薬剤もあります。

ステロイド
( 副腎皮質ステロイド )

役割
痛みや炎症の軽減(抗リウマチ薬の補助)

主な副作用
糖尿病、骨粗しょう症、白内障、感染症など

抗リウマチ薬

役割
免疫異常・炎症の改善及び抑制
軟骨・骨破壊の進行遅延(リウマチ治療の中心)

主な副作用
発疹、タンパク尿、肝障害、肝炎、間質性肺炎、感染症、血液障害など
※薬剤により、副作用の種類も異なります。

生物学的製剤
(バイオ医薬品)

役割
炎症抑制
軟骨・骨破壊の進行抑制(抗リウマチ薬の効果不十分例に使用)

主な副作用
感染症(上気道感染、肺炎など)

それぞれの薬剤には、その薬剤特有の副作用があり十分に注意しながら継続的に使用することが必要です。症状や副作用などを見ながら患者様に合わせて適切に調整していきます。